宮崎(桜戸)玉緒 作 桜の図 掛軸 今村紫紅 箱書 模写

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宮崎(桜戸)玉緒作の桜の図掛軸です。宮崎玉緒は近江に生まれ、幕末から明治にかけて活躍した医師、国学者ですが、桜に造詣が深く、桜の画をよく描いたことで知られています。 画家というよりも、桜に関しては植物学者、博物学者のような視点を持っていたようで、各種の桜の保存にも尽力したようです。また、和歌をよく詠み、『なれぬれば めずらしからぬ 世の中に ひとりならはぬ 山さくらかな』なる歌が残されており、山桜の美しさには、ひとかたならぬ思いがあったのだと思います。 本作品も、葉と花がともに描かれていることから、山桜の一種かと思います。手前に太く大きな幹をあしらうという、大胆な構図の画です。斬新な作品と見ることもできますが、幹の肌質を博物画のごとくに描いていることから、いわゆる職業画家とは異なる視点で描かれた作品であるように思います。 そうした博物学的視点が、桜を描く画家たちの指導へと繋がったのか、実際に京都で日本画家、跡見玉枝を指導していたようです。今では一般には、跡見玉枝をして桜花図の大家として記憶されているかと思いますが、その裏に宮崎玉緒の影響があったわけです。 そうした視点で考えると、箱書の“紫紅”は若き日の今村紫紅ではないかと思います。革新的な作風で知られた今村紫紅ですが、その出発点は歴史画の大家、松本楓湖の画塾であり、写実を旨としていたようですので、博物学的なアプローチで宮崎玉緒の画に学ぶ機会を持つことは大いに考えられます。生没年から考えると、実際に相対する機会がなかったとは言えませんが、どこかの旧家にて、残された先人の作品と対峙し、箱書きを頼まれて一筆したためたと考えると、夢のある話だと思います。
 なお、以上はあくまで私見です。鑑定等は受けておりませんので真作の保証はできません。よって模写とさせていただきます。絹本、肉筆であることは保証いたします。また、表具もそれなりに時代があり、なかなか良いもののように思います。大きな傷みもありませんので、このまま鑑賞いただくことに支障はないと思います。ただし、本紙、表具とも、シミ、ヤケ等はありますので、ご入札をご検討の方は写真でご判断ください。
絹本 肉筆 箱付サイズ 全体  115㎝ × 69㎝ (サイズの誤差はご了承ください)


印刷などではなく、墨で書かれた作品です。状態は比較的良好かと思いますが、シミ、汚れ等あります。しかし、本文が判読できないような状態の部分はありません。表具もよいものです。状態は経年によるものとご理解下さい。価値判断、状態(オレ・シミ・イタミ・その他)は画像でよく御確認の上ご入札ください。
 商品の性質上、輸送中の破損等を除き、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。※終了当日・直前のご入札の取り消しはトラブルの原因となりますので、ご遠慮いただきます。ご入札の際はお間違いのないようお気を付け下さいませ。

※ご入札いただきますとお買い上げ責任が生じます。お客様都合でのキャンセルは一切受け付けておりません。


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